お子さまの状態が
気になる方へ

お子さまの体に日々触れているご家族は、小さな変化にも気づくことができる、一番近くにいる存在です。
「足の形が気になる」「抱っこした時に体が硬い」「しこりができた」など、ふとした違和感が、早期発見につながることがあります。
FOPの症状は、出生時から現れるものもあれば、乳児期、幼児期、学童期と成長とともに徐々に現れるものもあります。
ここでは、年齢別の主な症状をご紹介します。気になる症状がある場合は、専門医への相談を検討してみましょう。

赤ちゃんの頃からみられることがある特徴1-5)

両足の親指のかたち

足の親指が短く曲がっているイメージ画像

特徴は?

  • 生まれつき骨や関節の形が変形していて短い
  • 内側に曲がっている(外反母趾のようなかたち)

保護者の気づきの例

  • 子どもの足の親指がほかの子と違う気がした
  • 健診で指摘を受けた

ポイント

  • FOP患者さんの90%以上で生まれた時からみられる、もっとも特徴的な症状2)
  • 外反母趾と間違われやすいが、赤ちゃんの頃から両足にみられる場合はFOPの可能性もある

手の指の長さ

親指が短いイメージ画像

特徴は?

  • 親指が短い

保護者の気づきの例

  • おもちゃを持たせようとした時に、つかみにくそうにしている
  • 健診で指摘を受けた

ポイント

  • 足の親指と同じように、手の指の長さにも生まれた時から特徴がある場合がある
  • 足の親指ほど多い割合でみられる症状ではないが、足の親指に気づいたら手も確認を

首が硬くて動かしにくい

首が硬くて動かしにくいイメージ画像

特徴は?

  • 早い時期からみられ、生まれた時からの場合も、フレアアップ(腫れやしこり)後の進行性の場合もある
  • 首を動かす範囲が狭い

保護者の気づきの例

  • 抱っこした時に首が硬い気がする
  • 寝返りを打つ時に首があまり動かない
  • 振り向く時に体ごと動かす

ポイント

  • 首の硬さはフレアアップが起こる前から起こることも多い
  • フレアアップによって首の骨化が進むと、さらに動かせる範囲が狭まる

頭の腫れ、しこり2)

頭の腫れ、しこりのイメージ画像

特徴は?

  • 頭皮にできる硬いしこり
  • 触ると痛みがあることや熱をもつこともある

保護者の気づきの例

  • 頭を触ると痛がる
  • 頭のしこりが熱をもっている
  • 仰向けで寝かせると痛がる

ポイント

  • 最初のフレアアップで頭皮にしこりができることが多いとされる
  • 新生児期から認められるFOPの症状として、約10%にみられる

背中や肩の腫れ、しこり

背中や肩の腫れ、しこりのイメージ画像

特徴は?

  • 背中や肩など上半身の上のほうで、抱っこした時に腫れやしこりを感じる
  • 初期のフレアアップでみられる

保護者の気づきの例

  • 肩や背中を触ると痛そうにする
  • 突然現れた腫れがいったん引いてもまた現れる

ポイント

  • しこりや腫れは、繰り返すうちに徐々に硬くなり、骨になる
  • 熱をもつ場合もある

幼児~学童期前半(1~10歳)にみられやすい症状1-4)

頭、首、背中、肩の腫れやしこり2,3)

頭、首、背中、肩の腫れやしこりのイメージ画像

特徴は?

  • 典型的なFOPでは生後10年の間に腫れやしこりが現れる
  • 赤く腫れて、痛みや熱をもつことがある

保護者の気づきの例

  • 突然できた背中や肩のしこりや腫れが引かず、繰り返す
  • 抱っこした時に痛がる

ポイント

  • 腫れやしこりを繰り返しながら徐々に硬くなり、骨に変わる
  • フレアアップは体の後ろ側の上のほうから始まる

体を動かしづらくなる1-3)

上半身、下半身にフレアアップが広がるイメージ画像

特徴は?

  • 低年齢では上半身、年齢が上がると下半身にフレアアップが広がる
  • 背骨が曲がってくることがある(側弯症)

保護者の気づきの例

  • 着替えの時に腕が上がらない
  • 姿勢が悪くなってきた(肩の位置が左右で違う)
  • 体が硬くなってきた

ポイント

  • フレアアップが起こった部位は、徐々に硬くなり動きが制限される

耳が聞こえづらい2,4)

耳が聞こえづらいイメージ画像

特徴は?

  • 耳硬化症に似た、あぶみ骨(小さな骨)の固定化によって起こる

保護者の気づきの例

  • 呼びかけに反応しないことがある
  • 動画を見る時に音を大きくしたがる
  • 聞き返すことが増えた

ポイント

  • FOP患者さんの約50%で聴覚障害が報告されるほど、一般的な症状2)
  • 小児期は気づきにくいこともあり、健診で指摘されることがある

フレアアップ1-3)

フレアアップのイメージ画像

特徴は?

  • 転んだりぶつけたりするけがや風邪などの感染症など、日常的な出来事で引き起こされる

保護者の気づきの例

  • けがをしたところが、硬くなって変形した
  • 風邪を引いた後で体が硬くなった

ポイント

  • 成長とともに、活動の幅が広がることで、フレアアップのきっかけとなる出来事が増えていく

学童期後半~思春期(11~18歳)にみられる症状1-8)

腕や脚のフレアアップが増える2,3)

腕や脚のフレアアップが増えるイメージ画像

特徴は?

  • 幼児期は上半身で多いフレアアップが、腕や脚の末端にも広がる
  • 足首や足は、思春期以降で起こりやすい
  • 腰や膝でのフレアアップは痛みが強い

ポイント

  • 転倒や打撲などけがをきっかけにフレアアップが起こることが多い
  • 股関節や膝、足首などの下半身の関節も固まり、動きが制限されはじめる

口を開けづらくなる1-3,8)

口を開けづらくなるイメージ画像

特徴は?

  • フレアアップがなくても病状が進行する場合もある
  • 一般的に、傷などの外傷が原因で顎の関節の動きが制限される
  • 食事や呼吸に影響がでる

ポイント

  • むし歯や歯周病などの一般的な歯科治療で口を無理に開けることや、処置で生じる小さな傷が原因になることがある

呼吸がしづらくなる1-3,5-7)

呼吸がしづらくなるイメージ画像

特徴は?

  • 背中や胸の変形や肺の周りの筋肉の骨化が進むと、呼吸がしづらくなる
  • 肺炎などの呼吸器感染症にかかりやすくなる
  • 年齢にかかわらず、ほとんどの患者で肺活量が低下する

ポイント

  • 首の前側のフレアアップが呼吸をしづらくさせることもある
  • 呼吸機能を保つために、呼吸訓練や歌、水泳などを活用する

日常生活でサポートが必要になる1-7)

車いすに乗ってサポートを受けるイメージ画像

生活のなかでできる工夫

安全性を保ち、自分で動ける範囲を制限しない工夫を

  • 前開きの服:腕を上げる動作が必要ない
  • スリッポン:着脱が簡単で、転倒の要素を減らせる
  • 車いすや歩行器:移動の安全性と動ける範囲を保つ

心理的なサポート

思春期は、外見の変化や体の制限がメンタルヘルスに影響を及ぼしやすい

  • カウンセリングや患者会への参加
  • 学校や医療機関との連携によるサポート体制の構築

1) 日本小児科学会. 進行性骨化性線維異形成症. 2024.
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20241209_GL002.pdf)(2026年4月アクセス)
2) ICCFOP (International Clinical Council on FOP). The Medical Management of Fibrodysplasia Ossificans Progressiva:
Current Treatment Considerations. July 16, 2024.
(https://fopaustralia.org/wp-content/uploads/2024/10/FOP-GUIDELINES-FINAL-2024.pdf)(2026年4月アクセス)
3) Pignolo RJ, et al. J Bone Miner Res. 2016; 31(3): 650-656.
4) Cacco T, et al. JBMR Plus. 2025; 9(4): ziaf029.
5) Kaplan FS, et al. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2008; 22(1): 191-205
6) Smilde BJ, et al. Orthop Res Rev. 2022; 14: 113-120.
7) Botman E, et al. Bone Rep. 2021; 14: 100758.
8) Schoenmaker T, et al. Front Med (Lausanne). 2022; 9: 852678.