FOPの検査・診断
FOPは、症状の観察と遺伝子検査によって診断されますが、診断までにはいくつかのステップをたどります。
ここでは、検査や診断の流れについてご紹介します。
【監修】鬼頭 浩史 先生(あいち小児保健医療総合センター 副センター長)
FOPは早期診断が大切な病気です。2008年以降、日本では1歳までの早期にFOPの診断をされる患者さんが増えてきています。一方で、FOPはとてもまれな病気で、この病気にはじめて遭遇する医師もいるため、診断までに時間がかかることも少なくありません。
病気の進行を防ぎ、お子さまの生活を守るために、気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。
FOPの診断を受けるまでのステップ1-3)
FOPはとてもまれな病気なので、診断を受けるまでに時間がかかることがあります。しかし、適切な診断と治療を早めに受けることで、フレアアップを予防する生活の工夫や、症状が現れたときの対処法を知ることができます。
ここでは、診断までのステップをご紹介します。
専門医は何をするの?1-3)
専門医は、FOPの診断と治療の知識と経験をもつ医師です。FOPは体中に影響を及ぼすため、FOP専門医は診断と治療の主体となり、さまざまな専門領域の医師とチームを組んで患者さんの治療と生活のサポートをします。
症状の詳細は「FOPってどんな病気?」、治療の詳細は「FOPの治療とケア」を参照
どんな検査をするの?2-4)
FOPは診断が難しい病気です。確実に診断を行うためには、問診や触診などの診察に加えて、画像検査や遺伝子検査を行います。
診断が確定して治療がはじまってからも、病気の状態や治療の効果を確認するための検査が行われます。
FOPは医療行為がきっかけでフレアアップが起こることがあるため、検査は体に影響の少ない方法で行われます。
骨の状態を確認するための検査で、診断のあとも継続して行われます。
新たに骨になったところの有無や状態を確認します。
新たに骨になったところの有無や状態を確認します。
フレアアップの状態を確認できるため、必要に応じて行われます。
遺伝子の検査は、FOPの診断をするときに一度だけ行われます。
少量の血液または口の中を拭って採取する粘膜から遺伝子を取り出して、ACVR1遺伝子を調べます。
ACVR1遺伝子の変異を調べて、FOPの診断をします。変異があれば、FOPであることが確定します。
FOPと間違いやすい病気はあるの?2,5,6)
FOPはとてもまれな病気であるため、正しく診断されないことがあります。ここでは、FOPと間違えられやすい病気をご紹介します。
| 病気 | FOPとの類似点 |
|---|---|
| 腫瘍 | FOPの腫れやしこりが、がんを含む腫瘍と間違えられることがあります。 |
| 進行性若年性線維腫症 (デスモイド線維腫症) |
腫瘍がゆっくりと成長してできる病気で、FOPと間違えられることがあります。 |
| 骨化性筋炎 | けがや打撲の後にその部分の筋肉が骨になってしまう病気で、FOPと間違われることがあります。FOPと異なり、外傷が原因で起こり、進行しません。 |
| リンパ浮腫 | リンパ液の流れが悪くなり、腫れを繰り返します。FOPのフレアアップの腫れと似ているため、間違えられることがあります。 |
| 血腫の石灰化 | 何らかの原因で出血した部分の血の塊が石灰化して硬くなることがあります。進行はしませんが、FOPの骨化と間違えられることがあります。 |
| 先天性足趾変形 | FOPの特徴的な足の親指のかたちが、外反母趾などと間違われることがあります。 |
| 強直性脊椎炎 | 背中や腰に慢性の炎症が起こり、進行すると骨が癒着して固まり、動かなくなる病気です。FOPの進行した状態と似ているため、間違えられることがあります。 |
1) 日本小児科学会. 進行性骨化性線維異形成症. 2024.
(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20241209_GL002.pdf)(2026年4月アクセス)
2) ICCFOP (International Clinical Council on FOP). The Medical Management of Fibrodysplasia Ossificans Progressiva:
Current Treatment Considerations. July 16, 2024.
(https://fopaustralia.org/wp-content/uploads/2024/10/FOP-GUIDELINES-FINAL-2024.pdf)(2026年4月アクセス)
3) Kaplan FS, et al. Pediatrics. 2008; 121(5): e1295-e1300.
4) Qi Z, et al. Intractable Rare Dis Res. 2017; 6(4): 242-248.
5) Pignolo RJ, et al. Pediatr Endocrinol Rev. 2013; 10 Suppl 2(02): 437-448.
6) Kamal AF, et al. J Orthop Case Rep. 2015; 5(1): 26-30.
